17/08/2009

スー・チーさん宅侵入の米国人男性、ミャンマー出国


【バンコク=山本大輔】ミャンマー(ビルマ)軍事政権は16日、民主化運動指導者アウン・サン・スー・チーさん(64)の自宅に侵入したなどとして同国の特別法廷で実刑判決を受けた米国人ジョン・ウィリアム・イエトー氏(54)を国外退去処分とした。同氏はミャンマーを訪れていたウェッブ米上院議員(民主党)とともに出国し、タイのバンコクに到着した。
米要人として初めて軍政トップのタン・シュエ国家平和発展評議会議長と会談したウェッブ議員の要請に応えたもの。議員はバンコクで記者会見し、「人道的な観点からイエトー氏の解放を求めたが、(スー・チーさんに)危害を与えた彼の行為は大変遺憾だ」と述べた。

 イエトー氏は5月初め、「テロが予見されたので警告したかった」としてスー・チーさん宅に侵入して当局に逮捕され、今月11日に7年の実刑判決を受けた。スー・チーさんは同氏を数日間滞在させたことから有罪判決を受け、自宅軟禁1年半になった。03年から続く自宅軟禁の期限切れが11月に迫る中、イエトー氏の行為は軍政に軟禁延長のきっかけを与えた形で、各国から批判が集中していた。

 また、ウェッブ議員は会見で、「スー・チーさんの解放がなければ来年の総選挙が自由で公平なものになると世界が信じることは不可能だ」とタン・シュエ議長に伝えた、と説明した。